客先常駐形式で働く企業の中には人材不足なため、IT未経験の人材をイチから育成している企業が多数ある。特にインフラエンジニアが不足していることから、インフラ系の企業は特にIT未経験者を募っていることが多く、IT企業で未経験OKだったから応募してみたら、自分が思っていたようなプログラムを書く仕事ではなくインフラ系の企業だったという経験の持ち主も多い。
確かに未経験でIT業界に入るきっかけとしてはよいだろうが、このようなインフラ関連の客先常駐形式で働く企業はキャリア形成において注意が必要である。
IT関連の開発工程は一般的に要件定義、設計、構築、運用、監視という流れで進んでいく。中でも要件定義と設計は上流工程、構築、運用、監視は下流工程と呼ばれる。
IT未経験でインフラエンジニアになった場合、まず任されるのが下流工程の中でも最も難易度の低い運用、監視だ。最初のうちは確かに自分のレベルに対して無理のない範囲の業務なので問題ないが、ある程度勤務年数が経過しても運用、監視しか任されないことも多い。
インフラエンジニアは上流工程と下流工程の給与の差が開発エンジニアと比べるとかなり大きく、まだ若いうちは下流工程でも同年代と同じ程度の金額の給与を貰うことができるのに対し、ある程度勤務年数が経過しても下流工程しか任されないと同世代と給与に差が出てしまう。しかも下流工程ができるエンジニアは若い人材で十分なため、ある程度年齢を重ねたインフラエンジニアは上流工程ができる人材しか求められず、市場価値も下がってしまう。
このような理由から、IT未経験で客先常駐形態で働く企業を選ぶなら上流工程も経験できる企業を選ぼう。